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【第3回】なぜ今、自動車整備工場にLINE公式アカウントが必要なのか? ~友だち登録を増やすたった1つの実践ガイド~

前回の記事で、LINE公式アカウントの開設と初期設定が完了しました。「さあ、これから運用を始めよう!」と思っても、友だちが数名しかいない状態では、LINE公式アカウントの本当の価値を実感することはできません。

「どうやって友だちを増やせばいいの?」「営業っぽくならずに自然に登録してもらうには?」そんな疑問をお持ちの方のために、今回は実践的な友だち獲得手法をご紹介します。

なぜ友だち数が重要なのか

LINE公式アカウントを開設したものの、「友だちが全然増えない…」という悩みをよく聞きます。実は、友だち数によってLINE公式アカウントの価値は劇的に変わります。

そもそもLINEは電話などと同じコミュニケーション手段の1つにすぎません。利用者がいなければいかにいいツールでも宝の持ち腐れに終わってしまいます。

友だち数によるビジネスインパクトの違い

友だち数の変化による効果の実感については管理顧客数により違いはありますが、自動車整備業であれば概ねここで紹介する登録数のように推移すると思われます。車検案内、12カ月点検案内、6か月点検案内を出しているということを想定しています。

友だち10名: 個別対応は楽だが、効果は限定的。「試しに使ってみている」段階。

友だち30名: 車検案内の効果が見え始める。月に数件のLINE経由の問い合わせが発生し、「これは使えるツールだ」と実感できる段階。

友だち50名: 月の売上に明確な影響が出る。車検案内のメッセージ配信で、確実に反応が得られるようになります。

友だち100名以上: なくてはならないツールに。お客様とのコミュニケーションの中心がLINEになり、電話対応の時間が大幅に削減されます。

当事務所の代表が以前経営していた整備工場では、友だち数が80名を超えた頃から、「LINE経由での予約」が全体の30%を占めるようになりました。特に、夜間や休日の問い合わせからの予約が増え、機会損失が大幅に減少したことを実感しました。

整備工場最大の強み:対面での信頼関係

LINE公式アカウントの友だちを増やす方法を調べると、Web広告、SNS活用、イベント出展など、様々な手法が紹介されています。しかし、自動車整備工場は地元密着型であり、自分たちの業態に合う手法の取捨選択に気を付けなければいけません。

我々自動車整備業には他の業種にはない圧倒的な強みを生かしましょう。それは、お客様と必ず対面で、ある程度の時間をかけて会話する機会があるということです。

車検や点検、修理でご来店いただいた際、作業内容の説明や見積もりの確認で、少なくとも15分から20分の間に会話が自然に発生します。この「信頼関係が構築されている状態での対面コミュニケーション」こそが、整備工場における友だち獲得の最大の武器なのです。

実際、前述の整備工場では、店頭での案内を徹底することで、案内したお客様の70-80%が友だち登録してくださいました。一般的な検索連動型のWeb広告の反応率が1-3%程度であることを考えると、この数字がいかに高いかお分かりいただけるでしょう。

あえて言ってしまえば、対面以外の方法で友だち登録を進める必要はないでしょう。

店頭での友だち登録:2つの黄金タイミング

自動車整備工場におけるLINEのお友だち登録を増やす方法は、結論を申し上げれば「お客様と対面でお願いすること」です。

お客様との接点は複数ありますが、特に効果的なタイミングが2つあります。

タイミング1:入庫時 – 「追加整備が発生する場合があることの説明時」

お客様が車を預けに来られた際、こんな会話から自然に友だち登録を促すことができます。

会話の流れ:

あなた: 「本日は車検でお預かりいたします。点検中に、もし追加で整備が必要な箇所が見つかった場合は、すぐにご連絡させていただきますね」

お客様: 「はい、お願いします」

あなた: 「その際、LINEで写真をお送りしながらご説明できると、状況がとても分かりやすいのですが、LINE公式アカウントに登録いただいておりますでしょうか?」

お客様: 「いえ、まだです」

あなた: 「でしたら、今1分だけお時間いただけますか?こちらのQRコードを読み取っていただくだけで登録完了します。例えば、ブレーキパッドが減っている場合、実際の写真を見ていただきながらご説明できるので、安心してご判断いただけますよ」

このタイミングの強み

  • お客様のメリットが明確:追加整備の説明を写真で受けられる
  • 今すぐ必要:今回の作業で実際に使う可能性が高い
  • 違和感がない:入庫時の説明の一環として自然
  • 時間的余裕:入庫手続きの中で1分は問題ない

実際、このタイミングでの登録は、お客様も「確かに、写真で見られた方が分かりやすいですね」と納得されることが多く、登録率は概ね75%に達していました。

タイミング2:納車時 – 「次回予約の利便性の説明時」

作業が完了し、お客様に車をお返しする際も絶好のタイミングです。

会話の流れ:

あなた: 「本日の作業内容のご説明をさせていただきます。(作業内容の説明)…次回は半年後のオイル交換、または1年後の12ヶ月点検となります」

お客様: 「分かりました」

あなた: 「ところで、LINE公式アカウントはもうご登録いただいていますか?」

お客様: 「いえ、まだです」

あなた: 「次回のご予約が、LINEから24時間いつでもできるようになります。夜中でも休日でも、思い立った時にすぐ予約できて、わざわざお電話いただく必要がなくなるんです。こちらのQRコードから友だち登録ができるのですが、もしよろしければご登録いただけますか?」

(登録後)

あなた: 「ありがとうございます!では、試しにメッセージを送ってみてもらえますか?(メッセージやスタンプを送信してもらう)…ありがとうございます!ご登録が確認できました。このように、何かあればいつでもメッセージでご連絡ください」

このタイミングの強み

  • 満足度が高い:作業完了後でお客様の気分が良い
  • 次回への期待:「次も便利に使える」という未来志向
  • その場で体験:実際にメッセージをやり取りして使い方を体感
  • 関係継続の意思表示:「また来ます」という意思の確認

納車時は特にお客様の満足度が高く、「便利になりますね」「助かります」といった前向きな反応が多く、登録率は概ね70%前後でした。

両方のタイミングで案内する理由

入庫時に案内し損ねても、納車時にチャンスがあります。逆に、入庫時に既に登録済みであれば、納車時には実際の使用例(次回予約の方法など)をご案内できます。

重要なのは、「必ず一度は案内する」という習慣化です。

実際に登録してもらうまでの3ステップ

流れは分かっても、実際にどう進めればいいのか。ここでは、QRコードを読み取ってもらってから、確実に友だち登録が完了するまでの手順をご説明します。

ステップ1:QRコードを提示する

準備物: LINE公式アカウントで準備できるA4サイズのQRコードの入ったポスターを印刷し、ラミネート加工したもの

声かけ: 「こちらのQRコードをスマホのカメラで読み取っていただけますか?」

ポイント:

  • QRコードは大きく(A4サイズ推奨)
  • 「LINE」と明記されていること
  • 簡単にメリット(「24時間予約OK」など)を口頭で伝えること

多くのお客様はQRコードの読み取り方をご存じですが、分からない方には「LINEのお友達追加からカメラを起動して、このコードに向けるだけで大丈夫ですよ」と案内します。

ステップ2:友だち追加ボタンをタップしてもらう

QRコードを読み取ると、スマホ画面に「友だち追加」ボタンが表示されます。

声かけ: 「画面に『追加』というボタンが出たと思いますので、そちらをタップしてください」

ポイント:

  • お客様の画面を一緒に見ながら進める
  • 「追加」ボタンが出たことを確認する

ステップ3:あいさつメッセージを確認し、その場でやり取りする

友だち追加が完了すると、自動であいさつメッセージが送信されます。

あなた: 「ありがとうございます!メッセージが届いたと思いますので、ご確認ください」

お客様: 「届きました」

あなた: 「では、お名前をメッセージで送っていただけますか?こちらで登録させていただきます」

お客様: 「〇〇です」

(※注:お客様側から1回でもメッセージを送ってもらわないと店舗側で登録が確認できませんので、必ず1度は送ってもらってください。スタンプ等でも構いません)

あなた: 「○○様、ありがとうございます!このように、何かございましたらいつでもメッセージをお送りください。写真も送れますので、『ここをぶつけてしまった』という時も、写真を送っていただければすぐにアドバイスできます」

この「その場でのやり取り」が極めて重要

単に友だち追加するだけでなく、実際にメッセージを1-2回やり取りすることで:

  • お客様が「使い方」を理解する
  • 心理的ハードルが下がる(一度使えば次も使いやすい)
  • こちらも顧客情報を確認できる
  • 「気軽に使っていいんだ」という安心感

この30秒の投資が、その後の活用率を大きく左右します。

特別なケース:LINEアプリをお持ちでない方

たまに、「LINEをやっていない」というお客様もいらっしゃいます。

高齢の方や、スマホに不慣れな方の場合:

あなた: 「LINEという無料のアプリがあるのですが、お使いですか?」

お客様: 「いえ、使っていないです」

あなた: 「そうですか。もしよろしければ、今インストールから一緒にやってみましょうか?お孫さんともLINEで連絡取れるようになりますし、便利ですよ。5分くらいで終わります」

実際、店頭でLINEのインストールから設定までお手伝いしたことで、非常に感謝されたケースもありました。特に高齢の方は、家族とのコミュニケーションツールとしてもLINEを活用でき、「教えてくれてありがとう」と喜ばれます。

ただし、無理強いは禁物です。 お客様が「今は結構です」とおっしゃった場合は、「また機会がありましたらお声がけくださいね」と、さらりと引くことが大切です。

よくある質問への対応を準備

実践していると、お客様から以下のような質問をされることがあります。事前に回答を準備しておきましょう。

Q1:「個人情報は大丈夫?」
A:「当店とのLINEのご利用にはお名前以外の個人情報は一切必要ありません。こちらからは、車検時期のお知らせなど、月に1-2回程度しかメッセージをお送りしませんので、ご安心ください(こちらは各社の運用によって数字を変えてください)」

Q2:「料金はかかる?」
A:「完全に無料です。LINEアプリ自体も無料ですし、メッセージのやり取りにも一切費用はかかりません」

Q3:「やめたくなったらどうする?」
A:「いつでもブロックしていただければ、メッセージは届かなくなります。もちろん、その後も通常通りご来店いただけますし、サービスに変わりはございません」

成功への実践プラン:小さな成功体験を積み重ねる

友だち数を増やすことは、決してゴールではありません。あくまでも、お客様とのより良いコミュニケーションを実現するための手段です。

大切なのは、「1ヶ月で〇〇名」という数字にこだわるのではなく、一人ひとりのお客様に確実に価値を提供し、小さな成功体験を積み重ねることです。

最初の成功体験:
1人目のお客様が登録してくれた時の喜び

10人達成時の成功体験:
初めて車検案内を一斉配信し、反応があった時の手応え

50人達成時の成功体験:
LINE経由での予約が当たり前になった時の効率化の実感

100人達成時の成功体験:
「○○自動車はLINEで相談できるから便利」という口コミが広がり始める

それぞれの段階で、確実に工場の価値が向上していることを実感できるはずです。

完璧を目指さない勇気

「全員に案内できていない」「登録率が50%に届かない」と焦る必要はありません。

  • 10人案内して5人登録:素晴らしい結果です
  • 案内を忘れた日があった:明日から再開すれば問題ありません
  • 断られて落ち込んだ:50%は断られるのが前提です

重要なのは、続けることです。毎日完璧である必要はありませんが、長期的に習慣化することで、確実に友だち数は増えていきます。

友だちが増えてきたら考えたい「次のステップ」

友だち登録がある程度増え軌道に乗ってくると、嬉しい悲鳴とともにこんな課題が出てきます。

よくある課題

  • 手動での返信が増えて大変:お客様からの相談が増えるのは良いことですが、全て手動で対応していると時間がかかります
  • 予約の管理が複雑になってきた:LINEでの予約、電話での予約、来店での予約が混在し、ダブルブッキングのリスクが高まります
  • 夜間・休日の問い合わせに対応しきれない:友だちが増えるほど、営業時間外のメッセージも増えます

このような状況になったら、どうしたらよいか。予約システムとの連携を検討する良いタイミングです。詳しくは、次回でご紹介させていただければと思います。

次回予告

次回(第4回)では、増えた友だちに対して実際にどのようなコミュニケーションを取っていくか。LINE公式アカウントが順調に軌道に乗ってしまっても焦らない、運用の実践編をお伝えします。

  • 車検時期を忘れさせない段階的リマインドシステム
  • お客様に喜ばれる定期的な情報配信のコツ
  • 写真を使った相談への効果的な対応方法
  • ブロックされないメッセージの書き方

コピペで使えるメッセージテンプレートや、ネタ切れしない情報配信のアイデア集も用意していますので、お楽しみに。

まずは第一歩、今日から始めてみましょう!LINEを利用したお客様とのコミュニケーション体制の構築という目標は、決して高すぎるものではありません。この記事を読んでいるあなたなら、必ず達成できます。

当事務所のサービスのご案内

当事務所では自動車整備工場向けにLINE公式アカウントの導入サポートと、ネット予約システムの導入サービスを行っております。導入のご相談やデモの実演などご要望がございましたら「お問い合わせ」ページよりご連絡ください。